お盆休みに読んだ小説の話
お盆休みに読んだ『俺たちバブル入行組』
お盆休みの少しまとまった時間を使って、池井戸潤さんの小説『俺たちバブル入行組』を読みました。ご存知の方も多いと思いますが、あの大ヒットドラマ「半沢直樹」シリーズの原作の第1作目です。
物語の舞台は、バブル崩壊直後の銀行業界。主人公・半沢直樹は東京中央銀行の融資課に勤める銀行員ですが、ある日、支店長が独断で進めた融資が焦げ付き、その責任を押し付けられてしまいます。理不尽な組織の論理に翻弄されながらも、彼は信念を曲げずに立ち向かい、やられたら「倍返し」で逆襲する――そんな痛快なストーリーです。
読んでみて特に印象に残ったのは、「組織のため」という名目で個人が簡単に切り捨てられる怖さです。半沢はサラリーマンとして板挟みに遭いながらも、正しいことを貫く姿勢を崩さない。その姿に共感し、勇気づけられました。自分の職場にも通じる部分があり、思わず「そうそう!」とうなずきながらページをめくっていました。
また、銀行の内部事情や融資の仕組みがリアルに描かれていて、普段あまり縁のない金融の世界を垣間見られたのも興味深かったです。難しい専門用語も出てきますが、物語のスピード感と人間ドラマの面白さで一気に読み進めることができました。
テレビドラマ版ではセリフの名言が有名ですが、原作小説のほうがより現実味があり、「もし自分が同じ立場だったらどうするか」と考えさせられる場面が多かったです。お盆休みにじっくり読むにはぴったりの作品でした。
この後の続編『オレたち花のバブル組』にもつながっていくので、また休みの時間を見つけて読み進めていきたいと思います。