2025年の甲子園を象徴する大きな変化の核心 ’’夕刻セレモニー’’

8月5日、甲子園に夕陽が差し込む16時──かつてない“夕刻セレモニー”で幕が開く第107回全国高校野球選手権大会。
長年「真夏の朝に始まる大会」として親しまれてきた伝統が、大きく変わった。

なぜ、今このタイミングで夕方に?
その背景には、猛暑・熱中症のリスク、そして気候変動という避けられない現実があった。

🎤 導入:「夕方開会式」の衝撃──その理由とは?

2025年8月5日、第107回全国高等学校野球選手権大会は、史上初となる夕方16時からの開会式で幕を開けます。そして、開幕試合は17時30分プレーボール。この「夕刻スタート」という異例の形式は、高校野球の新しい時代を象徴する大きな一歩です。

ではなぜ、朝から始めるのが当たり前だった甲子園が、夕方に変わったのでしょうか?


☀️ 最大の理由:猛暑・熱中症対策

近年の日本の夏は、猛暑日が連続するのが当たり前になりました。8月初旬の西宮(甲子園所在地)では、35℃を超える猛暑日が頻発し、選手はもちろん、観客・審判・スタッフの健康リスクが非常に高まっています。

2024年大会でも、熱中症による選手交代や観客の搬送が複数報告され、医療従事者や保護者からは「真夏の昼間にやるのはもう限界では?」という声が上がっていました。

そのため、2025年大会からは以下の対策が導入されました:

  • 🔄 午前・夕方の「2部制」スケジュール(朝・昼を避ける)
  • 🌇 夕方の開会式で日差しを避ける
  • 🛌 休養日を複数設定し、連戦を防ぐ

この変更は単なる「夏の工夫」ではなく、気候変動によってスポーツ運営そのものが問われる時代に突入した証ともいえます。

特に高校生という成長期の身体には、過酷な環境が大きな負担になります。これは日本だけでなく、世界中のスポーツ界で起きている現象です。